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脳磁気刺激について(経頭蓋脳磁気刺激法)

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うつ病の治療

うつ病の治療

うつ病の治療は薬物治療が中心となっています。ところがおよそ20%の方は薬物治療の効果がありません(薬剤抵抗性うつ病)。
薬剤抵抗性うつ病の方には、電気けいれん療法、認知行動療法などが有効であるとされています。
この他に最近開発された方法として経頭蓋脳磁気刺激法があります。この方法の特徴は、①外来治療が可能である、②副作用が少ない、などです。

電気けいれん療法とは

電気けいれん療法とは

電気けいれん療法は難治性のうつ病に効果の高い治療方法で薬物の効果が乏しいうつ病の方の60~80%を治療することが可能とされています。
強い電流を脳に流すため、全身にてんかんの様なけいれんが生じてしまいます。これを防ぐために全身麻酔をして治療を行います。
そのため約1ヶ月の入院治療が必要となります。電気けいれん療法自体は保険が適応されていますが、手術室で麻酔をするため2週間の治療費、1ヶ月の入院費用がかかりますので、差額ベットの費用をいれると20~30万円程度の費用がかかります(高額医療費で部分的に戻ります)。
また強い電流を頭部に流すため、健忘などの副作用が問題となります。全身麻酔をするため高齢者や身体疾患のある方には適応されません。
治療効果は およそ半年程度持続されます。再発しないように半年ごとに入院治療をする必要があります。

脳磁気刺激治療とは

脳磁気刺激治療とは

脳磁気刺激装置とは最近開発された新しいうつ病の治療方法です。難治性のうつ病の頭部に磁場をかけることによって脳に電流を流します。この意味では電気けいれん療法と同じ方法です。
電気けいれん療法と異なるのは、電気は頭蓋骨を通過しにくい(頭蓋骨は絶縁体)のに比べて磁気は頭部を簡単に通過することができます。従って電気けいれん療法よりも弱い刺激で脳を刺激することができます。そのため全身のけいれんが起こらないので麻酔をする必要がありません。
麻酔がいらないので入院をする必要がなく外来通院で治療をすることが可能です。
海外では治療効果が認められているので健康保険の適応になっていますが、現在日本ではまだ健康保険は適応されていません。そのため自由診療になっているので一般的な普及には時間がかかります。
効果の持続期間は電気けいれん療法と同じように半年程度と考えられていまが、これに関してはまだ詳細なデータは得られていません。

電気けいれん療法と磁気刺激療法の違い

電気けいれん療法と磁気刺激療法の違い

電気けいれん療法 脳磁気刺激療法
効果(注参照) 70~80% 70~90%
副作用 健忘 まれに軽い頭痛
入院/外来 入院 外来
治療期間 4週間 2~4週間
麻酔 全身麻酔 麻酔は不要
経費 20~30万円 4万円(一回約2千円)
対象外 身体的に問題のある方、高齢者、
妊娠者、てんかん患者
妊娠者、てんかん患者
 効果の持続  半年間  不明(おそらく半年間)
脳磁気刺激装置の原理

脳磁気刺激装置の原理

コイルに電流を流すことによって脳内に電流が流れます。この意味では電気けいれん療法と同じですが、電気けいれん療法が脳全体に電流を流すのに比べて、脳磁気刺激装置では局所に電流を流すことができるので少ない副作用が期待できます。
脳磁気刺激装置の原理01
脳磁気刺激装置の原理02

脳磁気刺激装置の実際

脳磁気刺激装置の実際

刺激部位は背外側前頭前野(DLPFC)です。ここはうつ病で機能低下が起きていると考えられている場所です。 DLPFCに高頻度磁気刺激を与え、活性化することでうつの症状が改善することが期待されます。刺激時間はおよそ15~20分で、週に5日程度行い、2~4週間継続する必要があります。 刺激の強さは人によって異なるため、筋電図を測定して必要な刺激の強さを決定します。
脳磁気刺激装置の実際

脳磁気刺激装置の効果

脳磁気刺激装置の効果

脳磁気刺激装置の臨床的効果はさまざまで、まだ一定の評価がなされていません。ここでは代表的な論文からの抜粋されたデータをお示しします。
(Arch Gen Psychiatry. 2003;60(10))
縦軸はMADRAS(Montgomery-Asberg Depression Rating Scale)で示されたうつ病の症状評価で、下に向かって症状が改善します。横軸は磁気刺激を始めた時間で2週毎にデータが示されています。
脳磁気刺激装置の効果

脳磁気刺激装置の適応

脳磁気刺激装置の適応

脳磁気刺激装置の臨床的効果はさまざまで、まだ一定の評価がなされていません。ここでは代表的な論文からの抜粋されたデータをお示しします。
(Arch Gen Psychiatry. 2003;60(10))
脳磁気刺激は軽い症状の方が効果的です。入院治療が必要な方にもある程度の効果は期待できますが、重症な方は入院治療あるいは電気けいれん療法をおすすめします。
薬物療法との併用がなくとも効果があります(薬物療法と併用していた方が効果があると考えられています)
うつ病の他に、強迫性障害、統合失調症、PTSDなどにも効果があるという報告がありますが、まだ論文の数が少なく研究中ということになります。
てんかんの既往がある方は利用できません。発作を誘発する可能性があります。妊娠している方への安全性は確認されていませんが、原理的には副作用はないものと考えられています。

脳磁気刺激の料金

脳磁気刺激の料金

磁気刺激装置の利用は自由診療となり、健康保険がご利用できません。他の診察、検査に関しては健康保険が適用されます。

当クリニック受診者 当クリニック非受診者(他院受診中の方)
1回につき 2,100円 3,150円
5回分まとめ払い 10,000円 15,000円
10回分まとめ払い 18,000円 27,000円
20回分まとめ払い 34,000円 48,000円
その他の経費 ①筋電図測定 1回
②うつ病評価尺度 3回
③キャップ代
 
計 8,500円
①初診料
②筋電図測定 1回
③うつ病評価尺度
④週1回の診察
計 1万円程度
脳磁気刺激装置に関するQ&A

脳磁気刺激装置に関するQ&A

Q1) 脳磁気刺激はどのような病気にききますか?
うつ病が主流ですが、躁うつ病、強迫性障害、統合失調症にも効果があるとの報告があります。うつ病以外については今後の研究の結果を待たなければなりません。

Q2)脳磁気刺激装置の磁場の強さはどのくらいですか?
1.5テスラでMRIに使われる磁場とほぼ同じです。

Q3) 脳磁気刺激装置は保険適応にならないのですか?
英国や米国では保険が適応されています。日本でも研究がすすめば保険が適応される時が来ると期待されます。

Q4) 脳磁気刺激装置でなおりやすいうつ病はどんなものですか?
入院が必要なような重症のうつ病の方の治療率は40~60%と言われています。軽症の方にはより効果的であると予想されますが、まだデータがありません。

Q5) 途中でやめて、しばらくして続きをすることが可能ですか?
現在のところ続けて刺激を受けるというデータしかありません。理屈上は少し抜けても問題ないとは思いますが、実際の効果に与える影響は不明です。

Q6) 磁気刺激で症状が改善した場合に、その後の服薬を続ける必要がありますか?
服薬の継続については、その方の病状によりますので主治医にお問い合わせ下さい。

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